折畳式日時計の製作

28Jan - by Joe-90 - 0 - In 木工作

こだわり抜いた折畳式日時計を作っているサイトを見つけた

「使わないときには比較的薄く折りたためて収納しておけるコマ型日時計(※)」のつくり方のサイトを見つけた。通常のコマ型日時計は、「秋分の日から春分の日」は異なる文字盤を使わなければならないが、この日時計は、その必要がない。キャンプなどで便利に使えそうなので、本格的だが作ってみることにした。 

※正式名称は、「赤道式日時計(Equatorial sundials)」

「折り畳み式日時計」:http://vicdiy.com/abc/sundial2/sundial2.html

事前準備

自分の住んでいるところの緯度経度 

  • http://www.geocoding.jp/ で、住所を入力すると、緯度と経度が求められる。
  • 例えば、日本標準時を決めている、兵庫県明石市は緯度35度、経度135度

必要な材料

材料特徴個数
ランバーコア12mm厚、だいたい190x200mm2枚
ネジ2-3mmx25mm2本
丁番50mm、ステンレス製1つ
ゴム紐(頭ゴム)1-2mm、25cm1つ
M5のボルトM5のボルト、台盤の板厚(12mm)+20mm=32mm4本
M5の鬼目ナットM5x30mm4本
木口テープ
1巻
塗料薄い色は目盛り付きの円盤用3色
簡単な道具、文具のり、カッター、定規、墨(クレヨン)
工具などドリル2-3mm、ジグゾー、やすり

テンプレートの作成

 「折り畳み式日時計」:http://vicdiy.com/abc/sundial2/sundial2.html

 テンプレートを参考にしながら、コンパスで作図する。 僕の日時計の寸法は次の通りとした。

板の切り出し 1/9

表面のヤスリがけ

表面をヤスリが消して、木口テープを貼る。これは、アクリル塗装が出来なかったので、はがした。

糸鋸

表面を整える 1/12

塗装する。 1/18

今回は、アクリル絵の具を使った。

リングに穴をあける

緯度を調整するための穴は、二つのリングを貫いて開ける。あとでネジでしめる。90°回転したところに、影を出すためのゴムひもを通す穴を外側にあける。

台の板の加工(磁気偏角線の記入)

台盤には磁気偏角調整線をカッターナイフで切り込む。 
真北と磁北のズレを「磁気偏角」といい、近畿では約7度西偏(-7°)になっている(地形図には「磁針方位」と表記)。 コンパスを使ってルートファインディングを行う時には、真北で作られた地図にこの磁気偏角を書き込んで使用する。

住んでいる地域の磁気偏角の値

住んでいる地域の磁気偏角の値 は、国土地理院のサイトのこちらから求めることができる。

国土地理院 地磁気測量 https://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/geomag/menu_04/index.html

サイトの自動計算結果(2020.0年値)
[入力値]緯 度北緯 34°X′X″経 度東経 135°X′X″
[計算結果]偏 角 D (西偏+/東偏-)+7.XX °(度)  /  +7 °XX′(度分)
日本はすべて西編と国土地理院サイトに書かれているので、自宅の場合、7.XX°。その角度に線を引いた。写真は、金具の取り付けや緯度の角度に設定するための留める部品(炭火焼鳥)も取り付けた後のものになっている。

緯度の設定今の場合、L=18.15cm、緯度=34.X° 
だから、H=18.15sin(34.X)≒10cm
と思ったが、上の右の図のように、横から見ると実は頂点もっと遠くにあることが分かったので、1cm長い直径として計算して、高さを設定した。完成一回りして撮影する。
※XXは伏字。

前          右横         後ろ         左横

外に置いてみた。

内側の黄色のリングの内側の所にゴムひもの影が写っている。ここで時刻を読み取る。写真では、黄色のリングの上面の目盛りが分からないので、時間を読み取ることができない。
右の写真の方位磁石のN(北)の方角と、磁気偏角線の平衡の度合いを見てもらいたい。後で気づいたが、磁気偏角線と方位磁石の北が一致していない。これを平行になるように日時計を置かなければならない。

時間計測

  • 日時:2023年1月22日 10時~
  • 初計測の時の日時計の影

計測するときのコツ

  • 時刻リングの線は20分間隔
  • 読むところは、影の中心。
  • 日時計の良いところは、真上から見なくてもいいところ。

時刻を読むときのコツ

  • (1)真ん中を読む。時刻の目盛りを書き込んでいるリングの時刻リングには、20分間隔で線が引かれてある。影の幅はそれで見ると、1/3ぐらいの幅だから、影を読む場所によって20x(1/3)=6分 ぐらいの違いが出るので真ん中を読む。
  • (2)ゴムひもの影の幅を上手く使って読む。ゴムひもの影の幅は6分。影の左端が11:40の時刻線に丁度だったら、11:43。

誤差

日時計の製作精度自身に問題があって誤差が生じていることは、影と時刻リングの目盛りが平行でないことからも分かる。上と下の中心のずれから加工精度による誤差は5分ぐらいである。

日時計の時刻を読む

どの程度使えるのか、計測してみた。

作った日時計の制度

いつも35分遅れている日時計として、分単位の精度で使うことができる。

コンパクトに折りたためるので、登山に持って行ってキャンプなどで使うことができる。

(以上)